h ギャラリー歌舞伎

弁慶六方　１



９月の歌舞伎は「勧進帳」でした。弁慶は新しい松本幸四郎で、
今年亡くなったおじさんの二代目吉右衛門さんが、八十歳でこの
弁慶を演じたいと言っていたのが叶わなかったのを、新しい
幸四郎が演じるという名目での公演でした。その期待に応え、
若い幸四郎が安宅関の場で白紙の勧進帳を読む弁慶を見事に
演じました。安宅関を関守の富樫の配慮もあって、無事切り
抜けた弁慶が花道を六方を踏んで帰る場面で、先に退出した
義経と四人の従者が無事に立ち去るのを見届けて頷いたり、関守
の富樫に一礼をし、にこっとして六方を踏んで消えていく弁慶
に涙がこぼれました。いつもこの場面では弁慶のそうした仕草
に気が付いていませんでしたが、今回は席が二階のちょうど
花道の上で、弁慶の顔がよく見えたので、そういう弁慶の仕草
をしっかり見る事が出来ました。そんな弁慶を２枚描きました。

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