個展ギャラリー
シルクロード 鳴沙山
「鳴沙山」「火焔山」という言葉のひびきも、シルク
ロードの憧れのひとつでした。いつかはシルクロード
を旅して見たいという願望を掻きたてるものは、単に
写真で見るその情景とともに、言葉のもつひびきにも
あるような気がします。それは作家の開高健の自伝小
説の音の記憶による「耳の物語」であるのかもしれま
せん。でも実際に「鳴沙山」の入り口に立ち、鳴沙山
を見ると「あゝ、とうとう鳴沙山まで来たのだ！」と
涙がこぼれました。そこにあるのはまさしく写真やテ
レビの映像で見たあの「鳴沙山」でした。それは言葉
のひびきによる「耳の物語」ではなく、「目の物語」
による「鳴沙山」でした。ラクダにゆられ、そして砂
に足を取られて登った鳴沙山の頂上でしばらくの間、
シルクロードに来たという感慨にふけっていました。
個展ギャラリーTOPページへ戻る
TOPページへ戻る